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2018-32号-7-7

コラム「我れ以外、皆我が師」

皆さんは、国文学者の「折口信夫」と作家の「大佛次郎」の名前を読めますか?答えは「おりぐちしのぶ」と「おさらぎじろう」。一般的な読み方ではないので、振り仮名をつけて欲しい名前です。
11年前に入院した時、病棟の本棚に司馬遼太郎が小学生向けに書き下ろした文章をまとめた本を見つけた。巻末に司馬の略歴があり、直木賞、菊池寛賞、吉川英治文学賞などを受賞のほかに、大佛次郎賞受賞も書いてあったのだが、そのルビが「おさらぎ」ではなく、「おさなぎ」と振ってあったのだ。出版社に誤植があるから修正するように電話。入院中なので病院の住所も教えたら、1週間後に担当者から絵葉書が届いた。「森田様のご指摘通りです。闘病中にもかかわらずご連絡頂き感謝しています。どうぞ一刻も早い退院を祈っております。この度は誠にありがとうございました」と。
たとえプロフェッショナルでも、間違いはある。それを素直に認め、今後の糧としてもらえればと思う。私自身、そのことを肝に銘じている。
「我れ以外、皆我が師」とは、吉川英治の言葉。私の座右の銘である。

  
会長・森田康雄より
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[ 2018/07/22 ] コラム | TB(-) | CM(0)

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